2024/08/26

海などと番うな蒼き頬辺《ほほべた》のままに沼の屍蝋とならん

伯林蝋人形館(皆川博子)/アルトゥール
感想短歌です

2024/01/20

観たことのないものが好き贄として生まれた半身《つま》の磔の前

観たことのないものが好きあたらしく千年前に創った火傷

観たことのないものが好きあなたこそ夏のとびらをひらく惨劇

友人が誕生日にほしいものリストから『グラン・ヴァカンス』を送ってくれ、ようやく読み終えることができました。感想の連作です。
「観たことのないものが好き」

ほんものの鯨を観ないままなぞらえられた艦《ふね》の白いほねぐみ

『グラン・ヴァカンス』/ジョゼ

ひらくたび展翅のピンがうがたれて本を閉じても舞曲はやまず

『グラン・ヴァカンス』

2023/05/06

ひとりきりでしかできない 思い出しタイプライターを打鍵すること

『おれの墓で踊れ』の感想短歌です。

2023/04/18

雨垂れは流星のよう 読み終えるまでは続いている友情は

刀と傘(を読み終えたくなかった)
日記です

2023/03/09

相対す円錐形の白い塔と血玉卵を潰した空が

山尾悠子随筆集『迷宮遊覧飛行』のラブクラフトオマージュ作品の感想(三次創作)短歌です

2022/12/20

にぎにぎしいほどの光にさらされて蚕食される子らにぎやかに

酉島伝法 『オクトローグ』「痕の祀り」感想短歌です。