手土産はまたマドレーヌくちばしに歪み真珠を押しつけられて
創作クィアのラブ
手土産はまたマドレーヌくちばしに歪み真珠を押しつけられて
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黎明の飛び石ひとり踏みしめる あなたを連れて行かないように
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神さまの唇《くち》に葡萄を挿しいれてヒト属のエゴ教えてあげる
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いつだってきみは正しい栄光のひとに噛まれる金貨のように
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デルヴォーの宮殿《パレス》に汝《なれ》の父は坐す撃ち方だけは教えてやれる
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いつか共にコーヒーを飲み話したい「きみに嫌われたくなかった」と
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肯わぬことを愛して五億年かつては背骨であった砂礫よ
創作クィアのラブ
魂をなぞるかわりにサッカリン分子式だけそらで唱えた
創作クィアのラブ
去年から行方不明の父ぼくがからくり箱の鏡を割った
創作クィアのラブ
ひとつだけ欲を代入するならばペントハウスに月光は満つ
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