ただしくて情が深くて繊細な彼(か)の足もとに積まれた髑髏
そのひとはやさしいのだと知らされてわれの社に雪降りつもる
鎌倉殿/公暁と実朝
ただしくて情が深くて繊細な彼(か)の足もとに積まれた髑髏
そのひとはやさしいのだと知らされてわれの社に雪降りつもる
鎌倉殿/公暁と実朝
忠実な友と呼びあうことあらば満ち足りたのか 手のひらに雪
鎌倉殿/義村
傀儡師と傀儡師もまた絆(つな)がれて強く小指を曳(ひ)かれた痕が
約束のために小指はあるのだろう絆(つな)がれてみるゆめがさめない
鎌倉殿/義村
遠くへとゆきたい波の彼方から新しい風持ち帰るため
鎌倉殿/実朝
この咽は未だ因果に噛まれない天がわたしを生き延びさせる
鎌倉殿/頼朝、あるいは義時
神仏を口説いて落とす自負ならばあるがいったい俺はいつまで
足おとをすべて兵馬の行軍と聞く友の聞かぬ吾(われ)の足おと
鎌倉殿/義村
明日さえ、そう明日さえ乗り切れば、この鎌倉の空も晴れるか
鎌倉殿/頼朝、義時
ひた走る先立つひとを抜き去れるほどの速さで わたしは鬼神
鎌倉殿/巴
米蔵の奥の小僧をおれはまだ憶えているが 臓腑が烟(けむ)い
鎌倉殿/義村
にんげんがみんなさみしいけものでも共犯でした、あなたとわたし
鎌倉殿/千世