信じると告げるつめたさここからはかかわらないという宣告
エルピス
信じると告げるつめたさここからはかかわらないという宣告
エルピス
聞かされるうちにみずから閉じたドア「だってあなたは女の子だから」
もしわたしが男だったらためらわず乗れただろうか深夜の電車
エルピス/浅川恵那
「もしわたしが…」の本歌は松野志保
一冊の本をあなたにのこしてく手紙よりきっと雄弁だろう
創作
縁を切り損なって死に損なって春の庭など眺めて惜しむ
鎌倉殿/義時←義村
太平記end
失望は希望を恃(たの)むほど深い そう、もう、だけど、覚えていない
エルピス/平川
最初から必要なかった合鍵を棄てる外にはこわいことだけ
ドンブラ/雉野
きみの名をつぶやいてみるああこれがにんげんの口、にんげんの舌
シンウル/神永←リピアー
「にんげんのふりがうまいね」「そうでしょう あなた好みになったんですよ」
創作
ゆきさきはどうでもよくてただ遠くまでの切符をふたりで買った
心中をしそこねているこめかみを寄せた車窓に海沿いのまち
ほんとうは終点の向こうへ連れていける彼方の桃源郷へ
缶コーンスープの底を軽く打つ子どもだましな家出の途中
シンウル/メフィラスとサトル
「ほんとうは〜」「缶コーン〜」は2022/12/10
信仰の告白めいた「きみならばきっとどこでもやっていけるさ」
創作