城ひとつ傾けてまだ退屈であくびの涙を拭ってほしい
大輪の花じゃなくてもよかったと嘆息すればグミの慰め
創作クィアのラブ
城ひとつ傾けてまだ退屈であくびの涙を拭ってほしい
大輪の花じゃなくてもよかったと嘆息すればグミの慰め
創作クィアのラブ
モナリザはカウチに横たわったまま写真をいちまい赦してくれた
創作クィアのラブ
足もとを光の網が揺らめいてプールサイドに涯ての弦楽
アダージェット 道化のように紅をひききみを死因にしてしまいたい
「おしまいになりたいだけでほんとうは僕じゃなくても」タイを外した
創作クィアのラブ
型を取り取られるだけの関係でたまに探偵ごっこもしてる
創作クィアのラブ
父親が不在のうちにワッフルを焼いたし上の兄も遺棄した
創作
年賀状送ってもいい? きみの顔、父親なんかに似ちゃあいないよ
創作クィアのラブ
今日からは副流煙をぜんぶ遣る軌道を逸れたけどこれでいい
創作クィアのラブ
雪解けの風は吹けども私が編むとききみは謎として在り
創作クィアのラブ
胸もとにカラーの茎《なかご》兄貴よりきみに堕落が似合うってこと
創作クィアのラブ
ひとかけの雪をたずさえ君ん家《ち》へふたりで埋めた奴の代わりに
創作クィアのラブ