あなたにはおしえてあげる眼球をとりだすときのなめらかな澱
ラギッドガール/安奈・カスキ
あなたにはおしえてあげる眼球をとりだすときのなめらかな澱
ラギッドガール/安奈・カスキ
回転木馬の馬車の中でなら教えてあげる「文字は血で書く」
グラン・ヴァカンスの感想短歌です
終わるなら今しかなくて左手の無名指《むめいし》の骨お守りにした
皆川博子/『U』
海などと番うな蒼き頬辺《ほほべた》のままに沼の屍蝋とならん
伯林蝋人形館(皆川博子)/アルトゥール
感想短歌です
剣として法を戴く 僕にしかできないことがあると信じた
傘として法を戴く 時代など罰から逃げる理由《わけ》にならない
『刀と傘』/江藤新平・鹿野師光
師光は2024/01/31追加
観たことのないものが好き贄として生まれた半身《つま》の磔の前
観たことのないものが好きあたらしく千年前に創った火傷
観たことのないものが好きあなたこそ夏のとびらをひらく惨劇
友人が誕生日にほしいものリストから『グラン・ヴァカンス』を送ってくれ、ようやく読み終えることができました。感想の連作です。
「観たことのないものが好き」
ほんものの鯨を観ないままなぞらえられた艦《ふね》の白いほねぐみ
『グラン・ヴァカンス』/ジョゼ
ひらくたび展翅のピンがうがたれて本を閉じても舞曲はやまず
『グラン・ヴァカンス』
やさしさに惑うところを見せてみてポリフェノールがチョコにあるから
伊坂幸太郎/黒澤シリーズ
二次創作短歌です
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ひとりきりでしかできない 思い出しタイプライターを打鍵すること
『おれの墓で踊れ』の感想短歌です。
花弁が護岸ブロックに吹き溜まる ひとりでも傘、差していますか
刀と傘/諸光
雨垂れは流星のよう 読み終えるまでは続いている友情は
刀と傘(を読み終えたくなかった)
日記です