2024/11/10

あなたにはおしえてあげる眼球をとりだすときのなめらかな澱

ラギッドガール/安奈・カスキ

2024/11/03

回転木馬の馬車の中でなら教えてあげる「文字は血で書く」

グラン・ヴァカンスの感想短歌です

2024/09/23

終わるなら今しかなくて左手の無名指《むめいし》の骨お守りにした

皆川博子/『U』

2024/08/26

海などと番うな蒼き頬辺《ほほべた》のままに沼の屍蝋とならん

伯林蝋人形館(皆川博子)/アルトゥール
感想短歌です

2024/01/28

剣として法を戴く 僕にしかできないことがあると信じた

傘として法を戴く 時代など罰から逃げる理由《わけ》にならない

『刀と傘』/江藤新平・鹿野師光
師光は2024/01/31追加

2024/01/20

観たことのないものが好き贄として生まれた半身《つま》の磔の前

観たことのないものが好きあたらしく千年前に創った火傷

観たことのないものが好きあなたこそ夏のとびらをひらく惨劇

友人が誕生日にほしいものリストから『グラン・ヴァカンス』を送ってくれ、ようやく読み終えることができました。感想の連作です。
「観たことのないものが好き」

ほんものの鯨を観ないままなぞらえられた艦《ふね》の白いほねぐみ

『グラン・ヴァカンス』/ジョゼ

ひらくたび展翅のピンがうがたれて本を閉じても舞曲はやまず

『グラン・ヴァカンス』

2023/05/06

ひとりきりでしかできない 思い出しタイプライターを打鍵すること

『おれの墓で踊れ』の感想短歌です。

2023/04/18

雨垂れは流星のよう 読み終えるまでは続いている友情は

刀と傘(を読み終えたくなかった)
日記です