延命のための煙草を燻らせてタールまみれのわたしの慕情
割れやすき眼の膜として銀縁の硝子の眼鏡 栄螺を焼く
ハゲタカ/鷲津政彦
鬼は外となえてばかりいるひとに煙草の煙を吹きかけてやる
ハゲタカ/西野
延命のための煙草を燻らせてタールまみれのわたしの慕情
割れやすき眼の膜として銀縁の硝子の眼鏡 栄螺を焼く
ハゲタカ/鷲津政彦
鬼は外となえてばかりいるひとに煙草の煙を吹きかけてやる
ハゲタカ/西野
振り返るきみの口もとだけ見える微笑んでいる 揺れる藤波
シンウル/神永→リピアー
またここに戻ってくるの箱庭の藤棚に降るあたたかい雨
羽をもつのは私だったはずなのにあなたはひとり藤棚の向こう
シンライダー/ヒロミとルリ子
手づからに冠を編みあげたから白詰草のぼくになります
会えたこと、幸せでしたここがたとえ四つ葉の葉っぱの群生地でも
シンライダー/KKオーグ
花弁が護岸ブロックに吹き溜まる ひとりでも傘、差していますか
刀と傘/諸光
エメラルド色にすべてを塗り潰せ息をするたびハイになろうよ
シンライダー/KKオーグ
埋没を願ったぼくに罰のよう身の丈ほどの長さの刃
シンライダー/KKオーグ(になったもうどこにもいない青年)
踵(つまがり)に銀の刃が光ってて誰もあなたと踊ってくれない
殺し屋1/イチ
ああ蜘蛛になりたかったなきみの手に糸をひとすじ垂らしたかった
シンライダー/真の安らぎはこの世になく/クモオーグ
プラットフォームの対岸 もういない弟が手招いている朝
一次創作