2022/12/16

マーブルの飴を舐めてるコーヒーとミルクの味を きみの証拠に
うつくしい名前のひとを憎むとき薪が火の粉を吹き散らす
ウルトラマンデッカー/アガムス

2022/12/14

聞かされるうちにみずから閉じたドア「だってあなたは女の子だから」

もしわたしが男だったらためらわず乗れただろうか深夜の電車

エルピス/浅川恵那
「もしわたしが…」の本歌は松野志保

2022/12/11

失望は希望を恃(たの)むほど深い そう、もう、だけど、覚えていない

エルピス/平川

2022/12/10

きみの名をつぶやいてみるああこれがにんげんの口、にんげんの舌

シンウル/神永←リピアー

2022/12/09

ゆきさきはどうでもよくてただ遠くまでの切符をふたりで買った

心中をしそこねているこめかみを寄せた車窓に海沿いのまち

ほんとうは終点の向こうへ連れていける彼方の桃源郷へ

缶コーンスープの底を軽く打つ子どもだましな家出の途中

シンウル/メフィラスとサトル
「ほんとうは〜」「缶コーン〜」は2022/12/10